南道野良歌南道野良歌(重要無形文化財 第51号 1973年11月5日指定)野が歌うー 風が歌うー 私が歌うー 収穫の日を待ち、農夫は早朝から晩まで土と植物に愛を注ぐ。そんな農夫の汗を拭い、苦労をいやすのが民謡だ。村人が共に受け答えしながら重労働をなしていく、農業民謡の中でも代表的な歌がこの南道野良歌だ。湖南(ホナム:全羅南道と北道を合わせた地域)地方の各地で歌われている南道野良歌の中でも珍島郡の西部に位置する智山(チサン)面、仁智(インジ)里を中心に歌われている民謡(農謡)が重要無形文化財の第51号に指定されている。農夫が野良仕事をしながら歌う民謡はどの地方にもあるが、珍島はその特有の歌詞とさまざまなリズムを保有しているだけでなく、作業別に歌の内容が違うという特徴がある。 珍島に伝わるのはこの民謡だけでない。 この南道野良歌の他にも義新面(ギシンメン)に伝わる大同野良歌もある。私が頭を抱えるのは日本で30年生活しながら日本に関することを何も知らないことだ。民謡の説明も日本と韓国の違いなんか聞かれて冷や汗タラーもんである。先日は日本語を教えている生徒から質問を受けた。日本の民謡には「・・節」「・・音頭」「・・唄」とあるがその違いはなにかと聞かれた。知らないなあー「そういえば、そうですねー調べてみます」と情けなく答えた。 音頭というのは、いわゆる「音頭もの」といって、盆踊りや豊年踊りなどみんなで踊るときのために唄われる唄である。・・節と・・唄ははっきり分類できていない。だが一般的に「唄」は山師が唄う「津軽山唄」「日向木挽き唄」、田植えに唄う「田植え唄」、石臼で粉を挽くときに唄った「祖谷の粉挽き唄」など淡々と作業をするときの辛さを忘れるための唄をいう。「・・節」とはその名の通り、節やこぶしをきかせて人に聞かせる唄が多い。例えば芸者さんが唄うお座敷唄はほとんど「宮津節」「長崎ぶらぶら節」「黒田節」と営業用に唄われた唄や、声自慢、のど自慢で人に聞かせる唄などである。 日本を知らずに、よく日本人をやってたなー!!! |